鳥取県は、日本海の海の幸と中国山地の山の恵みに恵まれ、地域ごとに個性豊かな食文化が受け継がれている県です。
なかでも鳥取県東部で親しまれている「とうふちくわ」は、木綿豆腐と白身魚のすり身から作られる白いちくわです。
一般的な焼きちくわとは見た目も食感も異なり、豆腐の風味とふんわりした口当たりを楽しめます。
地元では日常のおかずやおやつになるほか、冠婚葬祭などの場でも食べられてきました。
ここでは、とうふちくわの特徴、由来として伝わる説と文献上の記録、おすすめの食べ方、購入できる店、通販、口コミ、周辺の観光地を紹介します。
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また、食事とあわせて周辺の観光スポットやレジャー体験を探してみるのもおすすめです。
鳥取砂丘や温泉、自然体験、ものづくり体験などを組み合わせると、鳥取旅行の楽しみ方がさらに広がります。
鳥取県のとうふちくわとは?
木綿豆腐を主原料にした鳥取県東部の特産品
とうふちくわは、木綿豆腐と白身魚のすり身を練り合わせ、ちくわの形に整えて加熱した鳥取県の伝統的な加工食品です。
鳥取県の公式サイトでは、木綿豆腐と白身魚のすり身をほぼ7対3の割合で混ぜて蒸し上げる食品として紹介されています。
一般的なちくわは魚のすり身が主原料ですが、とうふちくわは豆腐の割合が多いため、大豆の穏やかな香りと白身魚のうま味を一緒に味わえるのが特徴です。
鳥取市を中心とした県東部の因幡地方で一年を通して食べられており、地域のスーパーやコンビニエンスストアでも購入できます。
観光客向けの珍しい土産というだけではなく、地元の暮らしに根づいた身近な食べ物です。
白くなめらかな見た目と柔らかな食感が特徴
定番のとうふちくわは、表面に濃い焼き色がなく、豆腐を思わせる白い姿をしています。
一般的な焼きちくわより柔らかく、ふわふわとしながらも、練り物らしいもっちりとした歯ごたえが残ります。
味は淡泊で癖が少なく、最初に豆腐のやさしい風味が広がり、噛むにつれて白身魚のうま味が感じられます。
濃い味付けで食べさせる食品ではないため、豆腐と魚の持ち味をじっくり楽しみたい方に向いています。
日常の食卓からハレの日まで親しまれてきた
現在のとうふちくわは、総菜、おやつ、酒の肴、鳥取土産など、さまざまな場面で食べられています。
一方、鳥取県東部では冠婚葬祭の際に食べる習慣もあり、日常食と行事食の両方の顔を持っています。
鳥取市の聖神社の祭りや結婚式など、特別な「ハレの日」に食べられてきたことも、老舗のちくわ製造元である「ちむら」の公式サイトで紹介されています。
とうふちくわの由来と歴史
池田光仲が豆腐食を勧めたという説
とうふちくわの由来として広く知られているのが、初代鳥取藩主の池田光仲にまつわる説です。
池田光仲が鳥取藩主となった江戸時代初期、鳥取では魚が貴重であったため、質素倹約の一環として城下の人々に豆腐を食べるよう勧めたと伝わっています。
その考えに沿って、魚肉の一部を豆腐に置き換えたちくわが作られるようになったというのが、よく語られる誕生の経緯です。
ただし、池田光仲の奨励によってとうふちくわが誕生したことを直接示す同時代の文献は確認されていません。
鳥取県の「県史だより」では、この由来を広く流布している説として扱い、豆腐はかつて農村で祝い事の際に作られるハレの食材でもあったと説明しています。
発祥については、池田光仲の質素倹約をきっかけとする説が伝わっている一方、現在確認できる歴史資料とは分けて考える必要があります。
文献で確認できる最古の記録は1761年
鳥取県の県史資料によると、「とうふちくわ」という名称を確認できる最古の文献は、1761年の「御巡見様御用書留控」です。
この記録は、幕府の巡見使が倉吉を訪れた際の献立に関するもので、とうふちくわが味噌汁の具として使われています。
巡見使の一人に精進料理を用意するよう申し入れがあったため、県史資料では、このときのとうふちくわには白身魚のすり身が入っていなかった可能性も指摘されています。
現在の「豆腐と白身魚を混ぜるとうふちくわ」と同じものだったとは限りませんが、江戸時代の鳥取で「とうふちくわ」と呼ばれる食品が用意されていたことは文献から確認できます。
この記録からは、とうふちくわが最初から手軽な庶民食だったのではなく、客をもてなす席にも使われる食品だったことがうかがえます。
ちむらは1865年に鳥取市元魚町で創業
とうふちくわの老舗として知られる「ちむら」は、慶応元年の1865年に創業しました。
初代の千村清次郎が、当時にぎわっていた鳥取市元魚町でとうふちくわを作り始めたとされています。
現在では、昔ながらの蒸したとうふちくわだけでなく、焼きタイプや、ねぎ、生姜、カレーなどを組み合わせた商品も作られています。
江戸時代の食文化を受け継ぎながら、日常のおかずや土産として選びやすい形へ広がってきました。
とうふちくわの作り方と一般的なちくわとの違い
豆腐と白身魚を練ってちくわ状に成形する
製造元によって原材料や配合は異なりますが、基本となるのは木綿豆腐と白身魚のすり身です。
ちむらでは、自家製の木綿豆腐と白身魚を7対3の割合で使っています。
水切りした豆腐と魚のすり身をしっかり練り合わせ、棒の周囲に巻き付けて形を整えた後、蒸すか焼くかして仕上げます。
現在の製造現場では、竹の代わりにアルミ製の棒が使われることもあります。
一般的に「とうふちくわ」と呼ぶ場合は白い蒸しタイプを指しますが、表面を焼いた香ばしい商品も販売されています。
魚が主役のちくわとは風味と弾力が異なる
一般的なちくわは魚のすり身を主原料とし、しっかりした弾力と魚のうま味を楽しむ練り物です。
とうふちくわは豆腐が主原料なので、魚肉中心のちくわより口当たりが柔らかく、大豆の風味が前に出ます。
「豆腐をちくわの形にしたもの」でも「普通のちくわに少量の豆腐を加えたもの」でもなく、豆腐と魚の特徴を生かした独自の加工食品といえるでしょう。
とうふちくわの種類とおすすめの食べ方
初めて食べるなら定番の蒸しタイプ
初めてとうふちくわを食べる場合は、白い蒸しタイプがおすすめです。
豆腐の香り、白身魚のうま味、柔らかな食感という、とうふちくわ本来の特徴が分かりやすく感じられます。
まずは冷蔵庫から出して食べやすい大きさに切り、何も付けずに一切れ味わってみてください。
その後、生姜醤油やわさび醤油を少量添えると、淡泊な味わいに香りと塩気が加わります。
焼くと香ばしさが加わる
蒸しタイプをオーブントースターで軽く温め、表面に薄く焼き色を付ける食べ方もあります。
温めることで豆腐と魚の香りが立ち、表面の香ばしさと中の柔らかさを一緒に楽しめます。
加熱しすぎると水分が抜けやすいため、様子を見ながら短時間で仕上げるのがポイントです。
味付き商品を食べ比べる
現在は、定番の蒸しタイプや焼きタイプに加え、ねぎ、生姜、カレー、柚子、レモンなどを組み合わせた商品も販売されています。
商品ごとに香りや味の強さが異なるため、数種類を切り分けて食べ比べるのも楽しい方法です。
鳥取らしい練り物を幅広く試したい場合は、魚肉を主原料とする「あごちくわ」と一緒に購入すると、食感や風味の違いがよく分かります。
鳥取でとうふちくわを購入できる店
とうふちくわの里・ちむら 布袋店
・店舗名:とうふちくわの里・ちむら 布袋店
・住所:鳥取県鳥取市河原町布袋556
・電話番号:0858-76-3333
・営業時間:9:00~18:00
・定休日:元日のみ
・アクセス:鳥取自動車道・鳥取南ICから車ですぐ、JR鳥取駅から車で約15分
・特徴:とうふちくわ、ちくわ、かまぼこ、天ぷらなどを販売し、揚げたて工房やイートインコーナーも併設
布袋店は、定番のとうふちくわから味付き商品まで選びやすい直営店です。
併設の「とうふちくわLab」では手作り体験もできるため、買い物だけでなく鳥取の食文化に触れる目的でも立ち寄れます。
旅行ルートに合わせて利用できる直営店
ちむらは布袋店のほか、鳥取市内に元魚町本店、かろいち店、丸由店を展開しています。
・元魚町本店:鳥取県鳥取市元魚町3丁目223、営業時間10:00~16:00、日曜日休み
・かろいち店:鳥取県鳥取市賀露町西3丁目27-1、営業時間9:00~16:00、元日のみ休み
・丸由店:鳥取県鳥取市今町2丁目151、営業時間10:00~19:00、元日のみ休み
鳥取駅周辺の観光では元魚町本店や丸由店、鳥取港や賀露方面を巡る場合はかろいち店が立ち寄りやすいでしょう。
営業時間や休業日は変更される場合があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認してください。
味の散歩道まえた
・店舗名:味の散歩道まえた
・住所:鳥取県鳥取市福部町海士20-1
・電話番号:0857-74-3211
・アクセス:JR鳥取駅から車で約15分、鳥取砂丘から車で約3分
・特徴:自社製の木綿豆腐を使ったとうふちくわや、あごちくわ、かまぼこ、天ぷらなどを販売
「味の散歩道まえた」は、前田商店の製造工場に併設された施設です。
ガラス張りの通路から練り物の製造工程を見学できると案内されており、鳥取砂丘観光と組み合わせやすい場所にあります。
営業状況や工場見学の実施日は変わる可能性があるため、来店前に公式サイトまたは電話で確認してください。
とうふちくわLabで手作り体験ができる
とうふちくわと鯛ちくわを作る約50分の体験
「とうふちくわの里・ちむら 布袋店」に併設された「とうふちくわLab」では、とうふちくわ作りを体験できます。
豆腐7、魚3の割合で配合された生地を練り、竹の棒へ巻き付けて成形し、専用の機械で焼き上げます。
・体験名:とうふちくわづくり体験
・所要時間:約50分
・開催時間:9:30、11:00、13:30、15:00
・料金:1人1,430円(税込)
・製作するもの:とうふちくわ、鯛ちくわの2本
・定員:各回46名
・予約:事前予約制
・住所:鳥取県鳥取市河原町布袋556
・電話番号:0858-76-3333
体験内容や料金は変更される場合があるため、予約前に公式サイトで最新情報を確認してください。
とうふちくわはネット通販でも購入できる
ちむらの公式通販と楽天市場を利用できる
鳥取まで出かけるのが難しい場合は、ちむらの公式オンラインショップから、定番の「豆腐竹輪・蒸し」や焼きタイプ、味付き商品、詰め合わせなどを注文できます。
ちむらは楽天市場にも公式店舗を出店しており、楽天ポイントを利用したい方や、普段の買い物と同じ方法で注文したい方にも選びやすくなっています。
価格、送料、在庫、セット内容は変わることがあるため、購入時に各商品ページで最新情報を確認してください。
とうふちくわは冷蔵配送の商品が中心なので、受け取れる日時や冷蔵庫の空きも確認しておくと安心です。

とうふちくわの里・ちむら 布袋店周辺のおすすめ観光地
お城山展望台 河原城
・観光地名:お城山展望台 河原城
・住所:鳥取県鳥取市河原町谷一木1011
・電話番号:0858-85-0046
・営業時間:4月~9月は9:30~18:00、10月~3月は9:30~17:00
・定休日:月曜日、年末年始(月曜日が祝日の場合は翌日)
・料金:一般300円、高校生以下・65歳以上・障がい者などは無料
・布袋店からのアクセス:車で約10分
河原城は、かつて「丸山城」と呼ばれる山城があり、豊臣秀吉が鳥取城攻めの際に陣を置いたと伝わる山に建つ展望施設です。
現在の建物は平成に入ってから町のシンボルとして建てられたもので、館内では河原町の歴史、文化、焼き物、伝説などを紹介しています。
天守閣の展望台からは河原町の景色を見渡せ、天候に恵まれれば鳥取砂丘や中国山地まで望めます。
流しびなの館
・観光地名:流しびなの館
・住所:鳥取県鳥取市用瀬町別府32-1
・電話番号:0858-87-3222
・営業時間:9:00~17:00
・定休日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12月29日~1月2日)
・料金:高校生以上300円、中学生以下・障がい者は証明書の提示で無料
・布袋店からのアクセス:車で約20分
流しびなの館は、鳥取市用瀬町に江戸時代から伝わる「ひな流し」の文化を紹介する施設です。
京都の金閣寺をモチーフにした木造建築の館内には、江戸時代をはじめとする各時代の雛人形や御所人形など、約1,000体が常設展示されています。
とうふちくわの買い物や手作り体験と組み合わせると、鳥取市南部に受け継がれてきた食と年中行事の両方に触れられます。
営業時間、休館日、料金は変更される場合があるため、訪問前に各施設の公式サイトで最新情報を確認してください。
【PR】観光スポットを複数回る予定なら、レンタカーもあわせて確認しておくと、当日の移動がスムーズです。
とうふちくわに関するよくある質問
とうふちくわはちくわぶと同じものですか?
とうふちくわとちくわぶは別の食品です。
とうふちくわは木綿豆腐と白身魚のすり身を主原料とする魚肉練り製品ですが、ちくわぶは小麦粉を主原料にした食品です。
穴の開いた形は似ていても、原材料、味、食感、食べ方が異なります。
とうふちくわには魚が入っていますか?
現在一般的に販売されているとうふちくわには、豆腐と白身魚のすり身が使われています。
豆腐だけで作られた食品ではないため、魚を避けている方は注意が必要です。
味付き商品では使用する原材料が増えるため、食物アレルギーがある方は商品ごとの原材料表示を確認してください。
まとめ
鳥取県のとうふちくわは、木綿豆腐と白身魚のすり身を組み合わせた、県東部を代表する伝統的な加工食品です。
豆腐を多く使うことで生まれる白い見た目、柔らかくなめらかな食感、大豆の風味と白身魚のうま味が特徴です。
池田光仲が質素倹約のため豆腐食を勧めたことから生まれたという説が広く知られていますが、文献で確認できる最古の記録は1761年です。
この記録では、とうふちくわが巡見使をもてなす献立に使われており、現在の豆腐と白身魚を混ぜた製品とは異なっていた可能性もあります。
鳥取市では専門店やスーパーなどで購入でき、そのまま食べるほか、生姜醤油を添えたり、軽く焼いたりして楽しめます。
布袋店の手作り体験や河原城、流しびなの館を組み合わせれば、とうふちくわを味わうだけでなく、鳥取市南部の歴史や文化にも触れられるでしょう。


