若桜のおやきは、鳥取県八頭郡若桜町に伝わる、よもぎ入りの生地で小豆あんを包んだ郷土菓子です。
米の粉を使ったもちもちの生地を焼き、よもぎの風味とあんの甘さを楽しみます。
特徴は味だけではありません。
若桜神社の祭りに合わせて作られ、神仏へのお供えや、親類・来客へのもてなしに用いられてきました。
ここでは、若桜のおやきの特徴、祭りや家庭の押し型との関係、公式レシピをもとにした作り方を紹介します。
【PR】鳥取県のご当地グルメや郷土料理を楽しむ旅を計画している方は、宿泊先もあわせてチェックしてみてください。クーポンやキャンペーンを利用できる場合もあります。
また、食事とあわせて周辺の観光スポットやレジャー体験を探してみるのもおすすめです。
鳥取砂丘や温泉、自然体験、ものづくり体験などを組み合わせると、鳥取旅行の楽しみ方がさらに広がります。
若桜のおやきとは
よもぎ入りの米粉生地で小豆あんを包んだ郷土菓子
若桜のおやきは、もち米とうるち米の粉を合わせた生地で、小豆あんを包んで作ります。
よもぎを練り込んだ緑色の生地と、表面の焼き目が特徴です。
主な材料は、まきの粉、あん、よもぎです。
まきの粉は、もち米とうるち米を原料とする粉で、笹巻きなどにも使われます。
若桜町観光協会が紹介するおやきには、地元産のよもぎとこしあんが使われています。
よもぎの香りに、米粉生地の食感とあんの甘さを重ねた菓子です。
長野県のおやきとは生地や具の特徴が異なる
長野県のおやきは、小麦粉やそば粉などの生地で、野菜やあんなどを包む郷土料理として知られています。
若桜のおやきを知るときは、米の粉を使った生地で小豆あんを包む菓子と考えると、違いをつかみやすいでしょう。
ただし、長野県にも米粉を使う地域や、甘いあんを包むおやきがあります。
おやきという名前だけで材料や味が決まるわけではなく、地域ごとに異なる食文化が受け継がれています。
若桜神社の祭りと家ごとの押し型に残る食文化
5月の祭りで供え物とおもてなしに使われた
若桜神社の例祭日は、毎年5月3日です。
わかさまつりとして親しまれ、神輿や行列、獅子舞などが繰り出す御幸祭は隔年で行われます。
若桜のおやきは、この祭りに関わるおもてなしの菓子でした。
氏子の家々で作り、神社に奉納したり、神棚に供えたり、親類や訪ねてきた人に振る舞ったりしてきたと伝えられています。
奉納には天下安泰や五穀豊穣への願いが込められ、JA鳥取いなばの資料では、無病息災や長寿を祈って神仏に供えた習慣も紹介されています。
食べる楽しみとともに、地域や家族の無事を願う役割を持つ菓子だったのです。
亀甲形の押し型には大の字や屋号が刻まれていた
若桜のおやきには、亀甲形の押し型で形を整える特徴があります。
各家庭では、大の字や屋号の文字を刻んだ型が代々受け継がれてきました。
同じ料理名のおやきでも、家ごとの型を使って仕上げる点に、家庭と結びついた食文化が表れています。
形だけでなく、押された文字にも目を向けると、来客に振る舞う菓子としての背景が見えてきます。
現在は商品や調理体験を通しても受け継がれている
農林水産省の紹介によると、家庭でおやきを手作りする機会は以前より少なくなっています。
一方で、町内での商品化や子どもたちの調理体験を通して、作り方を伝える取り組みが行われています。
若桜味工房でも、若桜町産のよもぎを使ったおやき作りの体験が案内されています。
祭りの家庭料理として伝わってきた味を、実際に作る機会を通して受け継いでいるのです。
家庭で作る若桜のおやきの作り方

材料の目安
農林水産省に掲載された、若桜町食生活改善推進員連絡協議会のレシピをもとに紹介します。
次の分量は、掲載されている約75個分を5分の1に換算した、約15個分の目安です。
- まきの粉:200g
- こしあん:300g
- ゆでよもぎ:40g
- 水(生地を練る用):200mLを目安に調整
- 油(焼く用):少量
- 水(蒸し焼き用):少量
生地に加える水は、よもぎに含まれる水分も考慮して調整します。
用意した水を最初から全部入れず、少しずつ加えましょう。
生地を一晩寝かせてから包み、蒸し焼きにする
1:ゆでよもぎをミキサーで細かくし、ボウルに入れたまきの粉と混ぜます。
2:水を少しずつ加え、耳たぶ程度の硬さになるまでよくこねます。
3:生地を冷蔵庫に入れ、一晩寝かせます。
4:翌日、寝かせた生地をもう一度よくこねます。
5:生地を1個約30g、こしあんを約20gに分け、生地であんを包みます。
水加減によって、生地の総量や作れる個数は変わります。
6:布を敷いた押し型に入れ、形を整えます。
JA鳥取いなばのレシピでは、濡れ布巾を使って型押しする方法が紹介されています。
7:フライパンに油を薄くひき、ふたをして弱火から中火程度で焼きます。
8:ある程度焼けたら少量の水を加えて蒸し焼きにし、水気がなくなったら裏返して反対側も焼きます。
水の量と練り方が仕上がりのポイント
公式レシピでも、生地に加える水の掲載量には違いがあります。
粉1kgに対し、農林水産省では1,000mL、JA鳥取いなばでは800mLとされています。
ただし、どちらのレシピも、水を足しながらこねて耳たぶ程度の硬さにする手順です。
そのため、水の掲載量の数値だけで決めず、よもぎの水分と生地の状態を見ながら調整しましょう。
また、JA鳥取いなばは、練り方が足りないと型押しの際にあんがはみ出すことを注意点として挙げています。
形を整える前のこねる工程を、丁寧に行いましょう。
焼くときは、表面を焼くだけで終えず、水を加える蒸し焼きの工程まで行います。
米粉の生地を焼いてから蒸し焼きにする手順も、若桜のおやき作りの大切なポイントです。
若桜のおやきに関するよくある質問
冷凍したおやきはどうやって食べればよいですか?
農林水産省の紹介では、若桜のおやきは冷凍保存が可能です。
食べる際は、電子レンジで温めたり、フライパンで素焼きしたりする方法が紹介されています。
温め直し方によって、出来たてとは違った食感も楽しめます。
市販品の場合は、商品の表示にある保存方法や温め方を確認しましょう。
まとめ
若桜のおやきは、鳥取県若桜町に伝わる、よもぎ入りの米粉生地で小豆あんを包んだ郷土菓子です。
若桜神社の祭りでは、神仏への供え物や親類・来客へのもてなしとして作られてきました。
家ごとに受け継がれた亀甲形の押し型も、この料理を知るうえで欠かせない特徴です。
家庭で作る際は、水加減を調整しながらよくこね、一晩寝かせてから型押しと蒸し焼きを行いましょう。
味と作り方に加え、祭りや家庭で担ってきた役割にも目を向けて、若桜のおやきの食文化を楽しみましょう。


