わかめの醤油漬けは、山口県萩市を主な伝承地域とする郷土料理です。
料理名からは、わかめを調味液に長時間漬け込む料理を想像するかもしれません。
しかし、農林水産省が公開している作り方では、しょうゆを加えたわかめを二度もみ、しぼってから仕上げます。
単に味を付けるだけでなく、しょうゆを使ってわかめのアクを取り除く点が特徴です。
ここでは、わかめの醤油漬けの特徴や萩の海との関係、受け継がれてきた背景、家庭での作り方を紹介します。
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わかめの醤油漬けとは
萩市に伝わるわかめの家庭料理
わかめの醤油漬けは、生わかめをよく洗い、しょうゆでもみ込んで作る料理です。
農林水産省「うちの郷土料理」では、山口県萩市が主な伝承地域として挙げられています。
しょうゆでもんだわかめは、ご飯のお供や酒のつまみとして食べられてきました。
特別なごちそうというより、身近な海藻を生かした日常のおかずです。
しょうゆを二度使ってアクを取り除く
農林水産省に掲載されたレシピでは、生わかめ200gに対して、合計80mlのしょうゆを使用します。
最初から全量を加えるのではなく、40mlずつ二度に分けてわかめと混ぜ、泡が消えたところで毎回しぼります。
しょうゆを漬け汁として残すのではなく、わかめをもんでアクを取り除く工程に使うのが、この料理の大きな特徴です。
最後にわかめを食べやすく切り、好みに応じてみりんや酒を加えて仕上げます。
わかめの醤油漬けが萩市に伝わった背景
早春にとれるわかめを生かした一品
農林水産省によると、山口県では萩市や長門市でわかめがよくとれ、萩市では早春に収穫されます。
わかめは干しわかめなどにも加工されますが、わかめの醤油漬けは、身近に手に入るわかめをご飯のおかずとして活用してきた料理の一つです。
農林水産省の紹介ページには、特定の考案者や成立年代は記載されていません。
確認できる資料からは考案者を特定できないため、特定の人物が生んだ料理とは断定できません。
農林水産省は、わかめがとれる地域の家庭で受け継がれてきた食べ方として紹介しています。
海底の「瀬」や「グリ」がわかめを育てる
萩沖の大部分は平坦な砂地ですが、その中には地元で「瀬」や「グリ」と呼ばれる海底の岩礁があります。
萩市によると、これらの岩礁は海底に沈んだ火山や溶岩です。
海水の流れが岩礁にぶつかると、海底の栄養を含んだ砂や泥が巻き上げられます。
瀬やグリにはわかめなどの海藻が生え、岩の隙間はウニやサザエ、アワビなどのすみかにもなっています。
わかめの醤油漬けの背景には、単に萩が海に面しているだけでなく、海底の火山地形が海藻を育む環境をつくっているという地域ならではの特徴があります。
日々の食卓と保存の知恵
特定の行事ではなく普段のおかずとして食べる
農林水産省では、わかめの醤油漬けを日々の食卓に並ぶ家庭料理として紹介しています。
正月や祭り、冠婚葬祭など、特定の行事との結び付きは同資料には記載されていません。
季節のわかめをご飯のお供や酒のつまみにする、暮らしに近い郷土料理だったことが分かります。
保存食としても重宝された一品
萩では、わかめを干しわかめに加工する文化もあります。
一方、わかめの醤油漬けも保存食として重宝されてきたと農林水産省は紹介しています。
ただし、公開レシピには家庭で作った後の具体的な保存日数が示されていません。
長期保存できる料理と自己判断せず、使用するわかめの表示を確認し、冷蔵したうえで早めに食べるのが安心です。
家庭で作るわかめの醤油漬けの作り方

材料(4人分)
- 生わかめ:200g
- しょうゆ:80ml
- みりん:少々
- 酒:少々
みりんと酒は好みに応じて加えます。
作り方
1:生わかめを水でよく洗い、水気を切ります。
2:生わかめにしょうゆ40mlをふりかけ、全体をよく混ぜます。
3:しばらく置き、泡が消えたらわかめをよくしぼります。
4:もう一度しょうゆ40mlを加えてよく混ぜ、同じように置いてからしぼります。
5:わかめを2cmほどの長さに切ります。
6:好みに応じてみりんと酒を少量加え、全体を混ぜたら完成です。
作るときに押さえたいポイント
一度目と二度目のしょうゆは、どちらもわかめをもんだ後にしぼります。
しょうゆ80mlをすべて漬け汁として残す作り方ではありません。
また、「生わかめ」として販売されている商品でも、下処理の状態や食べ方は商品によって異なります。
洗浄や加熱の要否など、パッケージに記載された方法がある場合は、その表示に従ってください。
わかめの醤油漬けを作った人のネットの口コミ・感想まとめ
二度もんでしぼる工程と仕上がりの感想
農林水産省のレシピを参考に実際に作った人の記録では、生わかめを洗って水気をしぼり、しょうゆを加えて置く工程を二度繰り返していました。
最後にみりんと酒を混ぜるまでの様子も写真付きで紹介されており、家庭でも公式レシピの手順を再現できたことが分かります。
完成後は、ご飯のお供に合い、普段食べているわかめとは異なる食感を楽しめたという感想が記されています。
今回確認できた具体的な調理記録は1件だったため、多くの人に共通する評価としてではなく、一人の調理例として参考にしてください。
口コミ・感想の作成で参考にしたサイト
わかめの醤油漬けに関するよくある質問(FAQ)
塩蔵わかめでも作れますか?
農林水産省は、塩蔵わかめを使う場合は、水でよく塩抜きしてから調理する方法を紹介しています。
塩分が残ったまましょうゆを加えると味が濃くなりやすいため、十分に塩抜きしてから水気をしぼります。
乾燥わかめでも同じように作れますか?
農林水産省のレシピで示されているのは、生わかめです。
塩蔵わかめの使い方は案内されていますが、乾燥わかめを使う分量や戻し方は示されていません。
元の料理に近い作り方を試すなら、生わかめか、十分に塩抜きした塩蔵わかめを使うと分かりやすいでしょう。
みりんと酒は必ず加えますか?
みりんと酒は必須ではありません。
農林水産省の作り方でも「好みで」加える調味料とされているため、わかめとしょうゆだけで仕上げることもできます。
まとめ
わかめの醤油漬けは、早春にわかめがとれる山口県萩市で受け継がれてきた、日常の家庭料理です。
しょうゆに長時間漬け込むのではなく、しょうゆを二度に分けてもみ込み、そのたびにしぼってアクを取り除くところに特徴があります。
萩沖では、海底に沈んだ火山や溶岩からなる「瀬」や「グリ」にわかめが生えています。
料理の素朴な作り方と、その材料を育む萩の海を一緒に知ると、地域の暮らしに根差した一品であることがよりよく分かります。


